[イベントレポ]やまきたで暮らしてみようツアー
森の恵みに会いに山北へ行こう!


イベントポスター2017年11月23日(木・祝日)9:00〜16:00
主催:やまきたで暮らしてみよう実行委員会
共催:県西地域県政総合センター/株式会社ソーゴー
後援:山北町/山北町商工会/山北町観光協会/公益社団法人神奈川県宅地建物取引業協会小田原支部

山北訪問ツアー第3弾では、後継者を支援しながら地域の活性化を目指す共和地区の取り組みに注目しました。

イチョウと旧共和小学校大野山の麓に位置する旧共和小学校を拠点にNPO法人「共和の森センター」は活動しています。今回イチオシ、木こり体験&きのこ鍋と交流会に参加して、山の再生や活用は長い年月がかかることを改めて実感しました。まき割り作業に慣れた昼頃にはすっかり雨があがり、雪化粧の富士山がくっきり顔を出してイチョウの黄色が輝いていました。

「木こり体験」が楽しみという声が多数!

山北への期待感が伝わる自己紹介からスタート

バスの中では恒例の1分間スピーチで皆が打ち解けていきました。司会進行は、入田直子さん(NPO法人ロクマル理事・元NHKおはよう日本リポーター)。ご夫婦、親子孫三世代、自宅カフェを開くという男性と孫、イケメン木こりに会いたい若手の同僚3人さん、と幅広い年代が集まりました。ライフスタイルをそろそろ変えていきたいと語る66歳男性や、農業や林業をIT と組み合わせて暮らしたいというIT企業に勤める男性、また、一人旅の男性は昭和テイストあふれる古い美容院を見てみたいという。テレビで見た酪農女子の島崎さんに会いたい女性等々。夢を膨らませるステキな皆さんでした。

山北は自然豊かな近場の移住地

定住資料(特製ファイル付き)

アクセスがよい山北は人にもやさしい

山北町は神奈川県33市町村の中で横浜市、相模原市の次に面積が広い自治体です。人口は1万600人(10月現在)。東京から西へ80キロ、東名高速大井松田インターチェンジで下りて246へ、都心から車で1時間の距離です。電車ではJR国府津駅や小田急線新松田駅から御殿場線。出産や子育て支援が充実し、紙おむつ支給制度があることは珍しいとのことです。イチオシはお試し住宅「ホタルの家」。古民家を貸し出す制度です。定住についての問い合わせが1日に4〜5件あるという山北町定住対策課からの説明でした。

まき割りに集中! すぱっと切るといい気分

まき割り
小学生も挑戦

木材をオノで割り、ナタで細かく裂いていく木こり体験

 共和のもりセンター(旧共和小学校)に到着し、NPOの活動報告などのオリエンテーション。一緒に町をつくっていってほしいという挨拶がありました。
 「足を開いて重心を落とし、オノは垂直に降ろさないとうまく割れないよ、まき割りの後方は危険だから行かないこと、木片は横へ飛ぶよ」と注意事項あり。子どもたちは早々にコツをマスターしたようです。木が割れるとオー!という歓声と拍手があがりました。

山をつくっていくには継続していくことが大切

クヌギやコナラは根が張るので山を強くし災害防止になり、動物が食べるドングリが実って人と動物が共存できる環境になるそうです。これらの木は、しいたけ栽培の原木や炭の原料に利用されます。伐採しても13年経てば新たに芽が出て13年で成木になり、これを繰り返すことで山がつくられていくのです。NPOはこのような山づくりを5年間やってきたそうです。

竹細工と花台づくり

竹細工と花台作り

竹や檜(ひのき)・梅の廃材を利用した工作です。ヤスリがけ、穴開け、ニス塗りなど指導を受けながら思い思いの作品が完成していきました。自分で作って自宅で大切に使いたい贅沢な体験でした。

きのこ鍋でランチタイム

きのこ鍋を囲んで
地産の食材がふんだんに使われた大鍋仕込みの山ご飯は、大きなしいたけや甘みを感じる白菜にうどんがたっぷりです。さつまいもの天ぷらと漬け物も床に並べられました。スタッフの方々が朝早くから準備をしてくれたあつあつ鍋に心もからだも温まりました。

食後の交流会

NPOの取り組みを大野博世さんが語る

地域起こしの拠点がここ共和地区。平均年齢が74歳、住民は200人を切っている地域です。法人化は5年前の平成24年。元気なシニアが後継者となる若者を支援しています。山北のおいしい水を守るには、山の保全と再生、動物が住める山づくりや山の手入れが重要とのことです。

花坂拓人さんはこの地で仲間とシェアハウス住まい

花坂さん
花坂さんは24歳、大学で地域問題解決のためのプログラムに関わっていくうちに山北で働くことになりました。ここに住む決め手は、人と関わっていくことで見えてきた思い。共和地区が置かれている状況が厳しいなか、手がついていない山の整備など、皆で何かができればと考えました。花坂さんら学生が独自に作った共和地区の絵地図が好評とのこと。新しいことというよりも今ある資源を活かしていくことはすばらしいことです。

山北駅近くの産業まつり見学

みかんや自然薯の販売
丸太切り大会や山北高校吹奏楽部などのイベント盛りだくさんの産業まつりです。参加者は地産の野菜・果物の販売ブースを巡り散策を楽しみました。

コミュニティホールで移住・地域体験談

体験談メンバーと町長

町長の湯川裕司さんがサプライズで登場

自然豊かな山北で暮らしていくために、雇用や日常のさまざまな環境をよい形にしていきたいと語る湯川さん。移住者用マンション「サンライズ山北」は全戸賃貸契約完了。19人の子どもが生まれているとのことです。D52(蒸気機関車)は全国で8台、動くのは山北の鉄道公園だけだそう。移住者大歓迎! 来てくれる人を受け入れて地域で支えていきたいと挨拶がありました。

杉本君雄さんは、若者の夢を支える側で活動中

今回移住体験を語ってくれた島崎 薫さんとの出会いなど、杉本さんからのコメントを交ぜながら交流会が進みました。島崎さんは28歳。来年4月に乳牛5頭を迎えて牧場をスタートさせます。なぜ山北で酪農家を目指そうとしたか。杉本さんによると、山北には県営の大野山牧場がありましたが、平成28年3月に閉鎖されました。牧場を再建させよう、何とかしなければと話が広まり具体化していくなか、一昨年、杉本さんと島崎さんが初めて会うことに。山北で酪農を始めたいという島崎さんは杉本さんらとの間で何度もやり取りし、彼女の決意におされ、地域全体で協力することになったそうです。

島崎 薫さんは、酪農家を目指して準備中

島崎さんの出身は神奈川県相模原市。北海道で4年間大学生活をし、卒業後に岩手県の中洞(なかほら)牧場で山地酪農を学びました。その後、縁あって山北の地で牧場をスタートすることになりました。島崎さんは去年2016年秋に山北に移住。決め手は人つながりです。やれるという気持ちにさせてくれる人々がいることで一緒に暮らしていけるのでは、と感じたそうです。 
 島崎さんの目指す山地(やまち)酪農は、平らな牧草地ではなく山の植生を活用する手法です。牛は山で自由に過ごして野シバや落ち葉を食べて成長します。参加者は牛が森の中を歩くという映像に驚きました。
 島崎さんは牛を飼うことで山の活かし方を伝えていきたいと、牧場経営を活性化につなげていく決意がありました。

山田悦子さんは、古民家で「さくらカフェ」をオープン

山北がふるさとと語る山田さん。横浜に住んで36年。宅配クリーニング業を営んでいました。山北に戻るきっかけは2011年の東日本大震災でした。人生の後半は水も食料も豊富なふるさとで暮らしたいと55歳でUターン。移住後はさくらまつりなどでイベントを開いたそうです。そうしているうちにその時だけではなく拠点になる場所がほしいと思い、古民家カフェを夫婦でイノベーション、2016年9月に古民家カフェを始めました。山田さんは趣味で「さおり織り」を楽しんでいたことから、カフェでは織物や雑貨を展示販売しています。現在59歳。新しいことをはじめるには個人的には60歳前がいいのではとも語っていました。
 カフェはライブ会場にもなりコミュニケーションの場になりました。口コミで楽しかった、おいしかったと評判は上々です。お店の定番メニューはカレー。季節限定のパスタや丼ぶり物も多数あります。時間がゆっくり流れるカフェでくつろいでもらい、自分もゆったりできることが幸せとのこと。酪農家の島崎さんのアイスクリームを楽しみにしているそうです。

ティータイムは山田さんのカフェのコーヒー

コーヒーとたい焼き、足柄茶
コーヒーとともに丹沢湖畔のハマセイさんのたい焼きと足柄茶をいただきました。たい焼きには「やまきたで暮らしてみようツアー」本日限定仕様のラベルが貼られていました。また、ずっしり豪華な地元ならではのおみやげの紹介がありました。

山北への思いが強くなり人生を見直すきっかけにも

参加者の一言コメント交流会は参加者の一言コメントで閉会となりました。桜の頃にまた訪れたい、これからも山北の良さを探っていきたい、と山北ファンになった参加者が多い中、移住実現に向けて一歩踏み出すと決意した人も多数いました。年内にさくらカフェを尋ね情報収集してカフェオープンを目指す男性は、移住の判断材料を得て満足そう。また、ある男性からは、妻と移住できたら住処をどこにしようと具体的な話も飛び出し、最後に「地縁血縁がない中で、出会い・触れ合い・おつきあいが必要」とまとめてくれました。

◇◇◇
 ここ山北の共和地区は新たな動きを見せている拠点に見えました。酪農を再開するという例をとっても、地域を変えていこうとする強い力が躍動しているようです。年代を超えてお互いを支援していくという働き方は、自分らしい仕事を見つけたいと思う私たちの指針にもなるのではないでしょうか。そこに暮らす人々のエネルギーが移住してみようという気持ちを押してくれる、そんな1日でした。