農業女子vol.5 岡部妙子さん
昔ながらの知恵と味を伝える料理講習会を開く


キラリと輝く感性で地域の農業を盛り上げる“農woman”を取材!

2016.2.16

農家に生まれ育ち、横浜市緑区の農家に嫁いだ岡部妙子さん。家族から受け継いできた「農家の味」を伝える活動を続けています。「生産者と消費者の架け橋でありたい」という岡部さんの取り組みを紹介します。
岡部妙子さん

四季の恵みを食卓に

栗の渋皮煮、金柑の甘露煮、大根のたまり漬け、フキ煮・・・。1月中旬、横浜市緑区の岡部さんのお宅を訪れると、食卓には四季の恵みを生かした品々が並んでいました。「庭で採れるものでいたずらばっかりしているのよ」。目じりを下げて、手の込んだ品々を「いたずら」と茶目っ気たっぷりに紹介してくれました。

岡部さん02

四季の恵みを生かして岡部さんがつくる品々

2009年に県が認定する「ふるさとの生活技能指導士」となり、料理講習を通じて農家の知恵と味を次世代に伝えています。講習では、ただ料理を作って味わうのではなく、“本物の体験”を大切にしています。よもぎ団子作りでは、よもぎを畑に植えて摘んでもらったり、こんにゃく作りでは、こんにゃく玉を取り寄せて育てたりということも。
味噌作りでは、煮た大豆を手作業でつぶしてもらいます。市販品は機械ですることを、あえて手作業にこだわる理由を「苦労して作ってこそ、自分でやったという手応えを感じられるから」と言います。

本物の味を伝えたい

味噌教室は毎年満席に。「こんな大変な思いをして作ったから、家族で大事に食べたい」と大切そうに持ち帰る人や、「この味噌じゃないと、子どもが食べない」と話す人も。教える喜びを感じられる瞬間です。「上手にできたら、またやってみようと思ってくれるはず。続けていってくれたら嬉しいですね」。

こだわるところは、とことんこだわる岡部さん。地元の味を守っていこうと、味噌の大豆と米は、地元産しか使いません。よもぎ団子は、白玉粉を入れて作る方法もある中で、米粉100%にこだわっています。「昔ながらの本物の味を伝えていくのが私の使命」という信念からです。子どものうちから“本物の味”に触れることで、“本物の味”を知る大人に育つと考えています。そうした思いから、子どもたちが参加できる講習も続けています。

「これまで続いてきた伝統を私たちの代で途絶えさせたくない。新たにこの地区に住む人たちにも、地域の歴史を知ってもらえたら」。ふるさとの生活技能指導士の活動を通じて、生産者と消費者とのつなぐことの大切さを感じています。食と農の架け橋として、出会いをつむいでいきます。

田奈の味噌

岡部さんがかかわる「田奈の手作り米糀みそ」

ハマッ子直売所四季菜館(青葉区田奈町52-8)で販売。

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