日本の米文化を支えたい!
青葉発・米粉スイーツの挑戦


農や食を通して地域を豊かにする取り組みをレポートします。

2016.2.15

米粉スイーツから日本の農業に光を―。そんな夢を乗せて、地元の農産物を使った青葉区発のお土産プロジェクト「丘のよこはま」が地域ぐるみで広がりを見せています。

地元の農産物で横浜北部ならではのお土産を

全国的に農家の高齢化、担い手不足が進む中、市内で水稲面積の多い横浜北部エリアでも休耕地が増えているそうです。起業支援センター「まちなかbizあおば」の有志が、地域の農業を支え、若い世代に地元の農業を知ってもらおうと、地元の農産物を生かしたお土産スイーツを考案しました。
スイーツのベースは、意外にも米です。青葉区の農家の協力を得て、区内の遊休地で米粉用の米を栽培。インターネット上で資金を集める「クラウドファンディング」の手法を取り入れ、市民の協力を得ながら、開発を進めました。

櫻井友子さん

丘のよこはまの開発を進めたさくら工房の櫻井さん

独自のノウハウで地元米粉のスイーツ誕生

商品の開発に携わったのが、青葉区のさくら工房。「お米で子どもたちを育てたい」という思いのもと、8年間全国各地の米粉を使った商品づくりに取り組んできた実績があります。代表の櫻井友子さんは、「いつかは地産地消に取り組みたい」との思いを温めてきました。

それまで扱ってきた米粉は、全国各地のコメどころの一等米。青葉区の米を使うのは初めてのこと。櫻井さんが「米粉ほどデリケートな粉はない」というほど、種類によって性質が大きく異なります。地元のJAから粉砕機を借り、お菓子に適した粒子の細かい米粉に製粉。試行錯誤を重ね、独自のノウハウで“青葉区米仕様”の米粉の扱い方を確立させました。

帰省土産や手土産に好評

昨年7月、シフォンケーキとフランの2種類のお菓子が完成しました。シフォンケーキは、緑区の養鶏場から仕入れた卵だけで膨らませ、ふわふわの食感が特長。厳選された地元食材そのものを生かした味を楽しめます。旬の地場の農産物でアレンジし、2月末まではニンジンとゆずのシフォンケーキ、浜キウイと安納芋のフランを展開しています。
帰省土産や企業の取引先の手土産などの目的で買い求める人が少しずつ増えており、今後は事業に共感する店舗などで販路拡大を狙います。

丘のよこはま

季節ごとの味を楽しめる「丘のよこはま」

郊外型6次産業のモデルケースに

「丘のよこはま」の商品展開はスイーツにとどまらず、米粉自体も商品として売り出しています。家庭で米粉を使ってもらおうと、さくら工房は今年から米粉料理講習会もスタートさせました。お菓子だけでなく、唐揚げやとろみ付けなど、幅広く手軽に料理に取り入れるコツを伝授。参加者からは「米粉のイメージが変わった」と好評でした。

米粉料理講習会

講習会では、鶏の唐揚げを米粉と小麦粉で味比べ

櫻井さんは「青葉区で課題になっていることは、全国に共通すること。郊外型6次産業として、ほかのエリアのモデルケースになれば。将来的に食糧自給率アップにつなげたい」と夢を語ります。

「丘のよこはま」トーク&試食販売会&調理デモ

丘のよこはまプロジェクトの櫻井友子さんのトーク、試食販売会、
米粉調理デモのイベントを開催します。
日時:2016年2月23日(火)11:00~
会場:みんなのキッチン(市営地下鉄センター南駅徒歩5分)
問合せ:TEL 045(944)1714 (みんなのキッチン)
詳細はこちら:http://www.dassama.com/das/?p=14725%22

丘のよこはま

●さくら工房直売所(市が尾駅徒歩5分)で販売。
☎045-482-9848、10時~18時(日・祝休)
同社のオンラインショップでも販売中。
●まちなかbizあおば前(たまプラーザ駅近く)で、毎週第3土曜日、13時~17時販売。