農業女子vol.4 志村さつきさん直売所発のヒット商品生む
キラリと輝く感性で地域の農業を盛り上げる“農woman”を取材!
2016.1.7
都筑区と青葉区の境にある野菜と果樹の直売所「志村農園」。店主の志村さつきさんは、「消費者に一番近い農家」を自負するユーモアたっぷりな女性。農業を楽しむエッセンスがいっぱいの取り組みを紹介します。
農業をもっと楽しく、楽に
7年前に嫁ぎ先の農家を継いだ志村さん。JAの講習会で農業従事者の時給を知り、あまりの低さに驚いたそうです。
「女性の発想で、視点を少し変えれば、農家の女性の労働環境を変えられるはず。もっと楽しく、楽にできる農業を目指そう」。そんな思いで農業の挑戦を始めました。
強く意識しているのが、横浜という地域性。畑の目の前に、多くの消費者がいる土地。これほど農業をするのに恵まれた地域はない、と感じています。
パクチーやヤーコンといった、少し変わった野菜を育てても、買ってくれる多様なお客さんがいます。少量多品目の農業経営が成り立ちます。果物は、完熟ぎりぎりまで熟してから収穫し、直売所に出します。流通に乗せないからこそできる強みです。
もったいないの主婦精神からヒット商品
収益を上げようと、加工場を設けて、お客さんからのアイデアを生かした加工品を生み出してきました。
一番人気の柚子こしょうは、口コミでおいしさが伝わり、300個の予約待ち。柚子こしょうを求めて、市外から訪れる人もいるほどです。「傷ものになった柚子がもったいない」という主婦マインドが根底にあります。試作をしては直売所で試食をしてもらい、「固い」「皮が残る」といった意見を反映させてできた自慢の一品です。
イチジクや柿のドライフルーツも好評です。収穫期が集中する果物。生で売り切れない分を生かす発想で生まれました。「収穫前にカラスに食べられてたまるかと思ってね」と笑います。
「こんなりやり方もあるよ、とほかの農家の女性たちにも知ってもらえたら」と話す志村さん。参考にしようと、加工場を見学に訪れる女性農家も出てきました。
子どもたちがまちを好きになるきっかけに
直売所には、近所のおばあちゃんから子どもまで、世代を超えた人たちが訪れます。ここの野菜を食べて好きになり、自ら買いに来る子どもの姿も。「地元の野菜が、まちを好きになるきっかけになればうれしい」。視線の先には、地域の未来を担う子どもたちの姿もしっかりととらえています。
志村農園
住所:都筑区荏田南4-34-5
営業時間:毎週金曜日、14:00~17:00
(2016年は1月22日から営業)
*JAハマッ子たまプラーザ店にも出荷