農業女子vol.2 松本こずえさん 東京五輪で世界に横浜野菜をアピール


キラリと輝く感性で地域の農業を盛り上げる“農woman”を取材!

2015.11.9

今回は、横浜市港北区の松本こずえさんをたずねました。音楽業界で販促や宣伝に携わり、米国留学などを経て10年前に農業の道に。異色の経歴で培った感性と経営センスを生かして野菜づくりに取り組む女性です。

食卓を彩る野菜を

一皿に色とりどりの野菜がまるでアートのように並ぶ。就農したころ、雑誌でそんな写真を目にし、心に響いたそうです。「食卓を彩る野菜をつくりたい」と、目指す農業の方向性が見えました。育てるのは、トマトだけで15種類にのぼります。ピンクやオレンジ、ピンク色も。年間を通じて手掛ける100品種以上の野菜たちは、新鮮さや驚きに満ちています。直売所にほぼ毎日出荷しているほか、横浜野菜を売りにする市内のレストランでも使われています。

松本こずえさん_01

市営地下鉄ふれあいの丘駅(都筑区)そばの畑で。

作り上手の売り上手に

「作り上手の売り上手になりなさい」。祖父の言葉を大切にしているそうです。
「だれに向けてどんな種類の種をまき、どうやって消費者に届けるか。農家の仕事は、いわば畑のプロデューサー。かつてはレコードのヒットを仲間とともに陰で支える立場だったけれど、いまはすべて自分の判断。力量が試されます」

時にはレストランのシェフの表現力を借りて、野菜の新しい魅力を伝えます。世間で馴染みが薄かった野菜がヒットしたときは、ガッツポーズの瞬間。バターナッツはそのひとつ。米国留学時代にホームパーティーで口にし、初めての味だったが「これはいける」と感じたそうです。就農後、地元・横浜で育ててみました。レストランや直売所でのアピールのかいあって、近年よく売れるようになってきました。

「私の野菜を使って料理を作ってくれた人が、“おいしい”ってほめられたらうれしい」。人を介して野菜のおいしさを伝える。言葉の端々から、独自の感性がのぞきます。

若手女性農家の未来を

松本さんはことし4月、「女性農業後継者の会」を立ち上げました。20代~40代の女性たち10人弱がメンバーとなっています。自分自身が農業を始めた時、気軽に相談できる相手がいなかったことが発足のきっかけです。「同じ悩みを抱える女性同士で、気さくに情報交換できる場ができれば」との思いから、月1回のペースで集まり、勉強会などを続けています。

「女性は結婚や出産など、労働時間の制約が出てくる。そんな中でも、ものをつくる喜びを忘れずに農業を続けられる環境づくりの手助けをしたい」。会では最年長の松本さん。年下の女性農業者たちの未来を思っています。

松本こずえさん_02

取材時の10月はサトイモの収穫時期。

東京五輪を商機に

「色の野菜」「昔懐かしい野菜」・・・。毎年、テーマを決めて野菜作りをする松本さん。
今見据えているのは、5年後の東京五輪です。国内はもちろん、世界中の人たちが横浜を訪れることが見込まれます。「この機会に横浜野菜を食べてほしい」と、夏場に供給できる「これぞ!」という横浜野菜の構想を練っているそうです。
松本さんならではの、美しくカッコいい横浜野菜を世界中の人が口にする日が待ち遠しいです。

最後に農業の魅力をたずねると、「新しい発見に満ちていて、いつまでも1年生の気持ちでいられる。飽きるまで続けたい」。
やわらかな笑顔の奧に芯の強さを感じさせました。

松本さんの野菜が買える店

JA横浜「ハマッ子直売所」メルカートきた店
☎045-949-0211 都筑区東方町1401

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